題京中早春



仕事が一段落ついたので、
二つ目の漢詩を作ってみました。
出来上がってほっとしたばかり。
まだ反省点も頭に浮かばない。
詩の友が瑞と祥を用いた詩を作って
わたしには祝賀に思えたので
同様のことを考えたのです。
でも超初心者がするべきことではなかった。
焦点がはっきりしない詩になってしまった。 

題京中早春   田 瑞生 
雪中松柏一齋開  仄平平仄仄平平
郁々清香春色催  仄仄平平平仄平
玄酒白川思尚友  平仄平平平仄仄
烹茶詩興数枝梅  平平平仄仄平平

韻字は、開・催・梅。灰韻。 



題京中早春    田 瑞生

雪中松柏一齋開
郁々清香春色催
玄酒白川思尚友
烹茶詩興数枝梅

题京中早春 田瑞生
Tí jīng zhōng zǎochūn   tián ruìshēng
雪中​​松柏一斋开
Xuě zhōng​​sōngbǎi yī zi kāi
郁々清香春色催
Yù yù qīngxiāng chūnsè cuī
玄酒白川思尚友
Xuán jiǔ báichuān sī shàng you
烹茶诗兴数枝梅
Pēngchá shīxìng shù zhī méi


題京中早春    田瑞生

雪中松柏一齋開 雪中松柏  一齋を開けば
郁々清香春色催 郁々たる清香  春色を催す
玄酒白川思尚友 玄酒の白川  尚  友を思う
烹茶詩興数枝梅 茶を烹れば  詩興  数枝の梅

 ・雪中松柏は、白い雪の中の緑の松柏のこと。
  比喩として節を守っている閑居する幽人。
  ・齋は、外舎。へや。書斎をも指している。
一齋開くで新たな書斎の人となったことを示す。
  ・郁々は、「イクイク」で、香気のさかんなさま。文化の薫り高いさま。
うつくしさがあふれるさま。
・清香は、清らかな匂い。いい香り。花有清香より花の存在を暗示する。
・春色は、春容、春のけしき。また酒気で赤くなった顔。
・春色催で、春らしく感じがおきてくるさま。
・玄酒は、水で冬の冷たく昏い水(川)のこと。
冬の水で酒を造ることからきた表現という。
 ・白川は、京中を流れる川。地名でも北白川などがある。
 ・思うは、懐かしくおもう。思案工夫する。ここでは前者。
・尚は、ここでは「いまもなお」「それでもなお」の意味で使っている。
・烹茶は、茶を烹(に)る。お茶をたてること。
・詩興は、詩の感興ということ。詩心の発動をいう。またその対象をもいう。

志を失くさず雪中の松柏と思い定め一屋の書斎を設けたが
俗世の塵を余所に志高い文化の香りがたちこめ春が来たかのよう

白川の昏く冷たい川の辺で まだ逢ったことのない友をしみじみ思ひながら
茶をたてていると詩作の気持ちを誘う数枝の梅の花が香りを放っていた